「さあ、がんばろう」 これは、私の友人の口癖だろうか。何回かきくうちに、いつのまにか、私もうつってしまった(笑)。いい言葉だと思う。 たとえば事がうまく運ばないとき、気持ちがなんだか暗くなっていきそうな、いやぁな気配が漂う。 そのとき「さあ、がんばろう」と口にしてみる。その瞬間気持ちが切り替わり、 「そうだ、がんばるんだ」と妙に前向きになっている自分を発見する^^ ついていないときに「ああ、いやだ」と口にする人もいる、「なんて、ついていないのだろう」と。その方が大半だろうか。そういう人からみれば、「さあ、がんばろう」と口にできる人のことを「強い人」あるいは「自分と別の種類の人」と思ってしまうかもしれない。 ところが、ところが、これはそういうものではないのである。 あなたがどんなに気持ちが滅入っていても、ためしに「さあ、がんばろう」と口にしてみるといい。それは最初、とても自分になじまずに違和感の伴うものではあるが、それは気にしない。気にしないで、言葉をおきかえていく。 「もういやだ」という言葉のかわりに「さあ、がんばろう」。 「どうせ、私なんて」という言葉のかわりに「さあ、がんばろう」と。 違和感が徐々に薄らいでいき、それとともに心が軽くなっていく。 そのとき、大事なことに気が付く。 「つらい、もうだめだ」と思うことも、「大丈夫、頑張れる」と思うことも、どっちの選択肢も、実は自分は常にもっていたのだ、ということに。 どっちを選んでもいいところ、自分はたとえば前者しか選べないのだと、自分自身に線をひいてしまっているだけにすぎなかったのだ、ということに。 あなたは、自分で自分を制約してはいないか。 あなたは、自分で自分を息苦しくしてはいないか。 あなたは、「強くない自分」に酔いしれてはいないか。 あなたは、自分自身を貶めてはいないだろうか。 「さあ、がんばろう」──口にしたら、それで99%、あなたの願い事は叶っている。 「さあ、がんばろう」──そして残り1%は、この言葉を周りの人にプレゼントすることで達成される。 |
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